弁護士コラム
車両の時価額と車両保険について
車両の「時価額」とは
被害者は、事故によって損傷した車両の「時価額」を請求することができます。
この「時価額」とはどういう価格をいうのでしょうか。
最高裁昭和49年4月15日判決(最高裁判所民事判例集28巻3号385頁)は、以下のとおり判断をしています。
「交通事故により自動車が損傷を被つた場合において、被害車輛の所有者が、これを売却し、事故当時におけるその価格と売却代金との差額を事故と相
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雪道の交通事故における過失割合① 弁護士 江畑 博之
過失割合とは
交通事故における過失割合とは、事故当事者が負う責任の割合を指します。
事故の態様によっては、加害者が100%悪いとまで言えないものもあります。そのような時に、被害者と加害者、それぞれにどのくらいの割合で責任があるのかを表したものが過失割合です。
過失割合は、過去の裁判例などを踏まえて、事故類型ごとの基本となる過失割合があります。
そこで、交通事故が起きた場合には、どの事故類型
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令和2年(2020年)の交通事故状況について 弁護士 江畑 博之
令和2年の交通事故発生件数、死傷者数
政府は、「令和3年版交通安全白書」の中で、令和2年の交通事故状況などを公表しました。
まず、事故発生件数は30万9178件で、令和元年よりも7万2059件少ない件数でした(前年比マイナス18.9%)
死傷者数は37万2315人で、令和元年よりも9万2675人少ない結果となりました(前年比マイナス19.9%)
死者数は2839人と統計がある昭和23年(1
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自転車違反行為の増加 弁護士 江幡 賢
1 自転車の違反行為が過去最多に
先日、警察庁から、2020年に全国の警察が摘発した自転車違反が、2万5465件だった事が発表されました。この数は、2006年に統計を開始してから最多であり、前年である2019年と比較して2606件も増加した数字だそうです。
自転車の違反件数は、2012年には約5000件でしたが、毎年増加傾向にあり、2020年には、約5倍の2万5000件を上回っています。
健
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【令和元年版】新潟県で交通事故が多い交差点ランキング 弁護士 五十嵐 勇
一般社団法人日本損害保険協会が毎年公表している、「全国の交通事故多発交差点マップ」の令和元年版が公表されました。
詳細は同協会のホームページをご覧ください。
なお、当事務所の過去コラムはこちらからご覧ください【平成25年版】【平成26年版】【平成27年版】【平成28年版】【平成29年版】
令和元年は以下のとおりだったようです。
ワースト
場所
事故件数
1
鵜ノ
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「オレンジカード」とは? 弁護士 江幡 賢
1 オレンジカード(交通安全指導カード)
新潟県警は、歩行者の法令違反が原因で起きた交通死亡事故が多発していることを踏まえ、2020年9月21日から、違反歩行者に対して交付する「交通事故安全指導カード」というオレンジ色のカードを導入しました。これがいわゆる「オレンジカード」です(以下、「オレンジカード」といいます。)。
オレンジカードは、警察官が巡回中に、信号無視や車道を横断している歩行者など
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「逸失利益の定期払いが認められた最高裁判決」について 弁護士 江幡 賢
1 令和2年7月9日最高裁判決
令和2年7月9日、最高裁判所(第1小法廷)は、交通事故の被害者が、加害者に対し、後遺障害による逸失利益の支払いを求める場合、例えば「毎月〇万円」などといった定期的な支払いを求めることができるという判断を示しました。
今回の弁護士コラムは、この最高裁判決の内容を簡単にご紹介します。
2 後遺障害逸失利益とは
交通事故で被害者が後遺障害を負っ
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高速道路一部の制限速度引き上げについて 弁護士 江幡 賢
1 高速道路の制限速度引き上げ
警察庁は、令和2年7月22日、高速道路で一定の基準を満たす区間について、最高速度の制限を、これまでの時速100キロメートルから時速120キロメートルに引き上げる方針であることを明らかにしました。
1963年に日本で初めて高速道路が開通して以来、高速道路の最高速度が正式に時速100キロメートルを超えることは、今回が初めてです。
今回、制限速度が時速120キロメー
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事故危険区間とは 弁護士 江幡 賢
1 事故危険区間とは
令和2年4月、国土交通省北陸地方整備局は、新潟県内の国道のうち、これまで「事故危険区間」と指定されていた区間に加えて、21区間を「事故危険区間」に指定しました。
「事故危険区間」とは、国土交通省が、事故データや地方公共団体等からの指摘に基づき、交通事故の危険性が高い区間を選定し、指定するものです。「事故危険区間」として指定して、地域住民への注意喚起や、事故要因に即した対策
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加害者が任意保険に入っていない場合にはどうすればよいのか 弁護士 五十嵐
交通事故を扱っていると、加害者が任意保険に加入していないケースにあたることがあります。このような場合、被害者はどのような手段を取りうるのでしょうか。
1 加害者本人に対する請求
任意保険に加入しているか否かにかかわらず、加害者は自分で事故を起こしたことの責任を負います。そのため、加害者本人に対して治療費などの支払いを求めることは理論上のハードルはありません。
しかし、実際のと
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